本日金曜日のドル円は、155.00付近での際どい攻防が続いている。週初から続いた調整下落により、直近の上昇幅を大きく削る展開となった。
しかし、この155円という水準は、テクニカル分析において極めて重要な意味を持つ「サポレジ転換」の候補地である。本日は今週の値動きを総括し、来週以降のトレンドを決定づけるこの攻防の行方を徹底分析する。
今週のドル円(振り返り)
今週は「調整」の一週間であった。156円台後半からスタートした後、高値更新に失敗し、じりじりと値を下げる展開が継続。
日足レベルでの過熱感を冷ます動きとなったが、週末にかけて重要なサポートラインである155.00付近まで到達した。ここで下げ止まれるかどうかが、来週の方向性を完全に左右する。
週足:ブレイクラインへのリテスト

週足チャートにおける巨大な三角持ち合いの上限ライン(緑色)付近まで、価格が戻ってきている。これはブレイクアウト後に頻発する「リテスト(裏タッチ)」の動きそのものだ。
かつてのレジスタンスラインがサポートとして機能する「サポレジ転換」が確認できれば、ここが中長期的な上昇トレンドにおける絶好の買い場となる。今週の終値が155円台、少なくともラインの上で引けるかどうかが最重要監視ポイントだ。
日足:MACDデッドクロスもライン到達

MACDはデッドクロスし、短期的な下落シグナルが点灯している。しかし、価格はちょうど緑色のトレンドライン(旧レジスタンス)に接触しており、ここが強力な防波堤として機能する可能性がある。
ここを明確に下抜けると、次は赤色の長期EMA(152円台)を目指す深い調整シナリオが浮上するため、本日の日足確定は極めて重要である。
4時間足:200EMAでの攻防

綺麗な下降トレンドを描き、現在は長期EMA(赤色・200EMA相当)付近での攻防となっている。直近では155.00付近で下げ渋る動きも見られるが、まだ明確な反転シグナル(高値切り上げなど)は出ていない。
この200EMAを明確に割り込むと下落が加速する恐れがあるため、安易な逆張り(落ちるナイフ掴み)は厳禁だ。
1時間足:155.00の底堅さを確認中

155.00の心理的節目を背に、短期的なダブルボトムのような形状を作りつつある。しかし、上値は切り下がっており、依然として売り圧力が強い。
隙間時間でチェックする際は、155.30〜155.40付近の短期レジスタンスを実体で上抜けるまでは「静観」が賢明。フライングでのエントリーはリスクが高すぎる。
まとめ・来週の展望
今週は調整が深まったが、上昇トレンドが崩壊したわけではない。むしろ、週足レベルでの「押し目買い」チャンスが近づいていると捉えるべき局面だ。
- 基本戦略: 週末は無理にポジションを持たず、週足・日足の確定を待つ。
- 来週のシナリオ:
- シナリオA(反発): 155.00付近でサポートされれば、再上昇トレンド入り。158円を目指す動きが再開する。
- シナリオB(下落): 154.80を明確に割り込んだ場合、調整深化。152円台までの下落を想定し、様子見継続。
サラリーマン・兼業トレーダーは、今週末はこの「155円攻防」の結果だけを確認すればよい。来週、方向性が定まってから動くのが、最も効率的かつ安全な戦略だ。










